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Google、Gemini 2.5の新モード「Deep Think」を正式リリース

Google、Gemini 2.5の新モード「Deep Think」を正式リリース

2025年8月2日 CoAI編集部 リリース

2025年8月1日、Googleは生成AIアプリ「Gemini」に高度な推論モード 「Gemini 2.5 Deep Think」 を追加したと発表しました。まずは月額サービス Google AI Ultra の加入者が利用でき、数学者や研究者など一部の専門家には、国際数学オリンピック(IMO)で金メダル級の性能を示したフルモデルへのアクセスも順次開放されます。

AI Ultra 加入者向けに段階的に展開

Geminiアプリでは、モデル選択メニューで「2.5 Pro」を選び、プロンプト欄の 「Deep Think」トグルをオン にすると利用できます。1日あたりの利用回数には現時点で制限がありますが、数週間以内には Gemini API 経由で開発者向けテスト提供も予定されています。

“考える時間”を延長する並列思考

本モードの最大の特徴は、推論時間(thinking time)を意図的に延長 し、モデルが並列的に複数の仮説を練り上げてから最終回答を生成する点です。加えて、拡張された思考経路を活用するよう促す独自の強化学習手法も導入されており、時間はかかるものの創造的で高品質な解答が期待できます。

ベンチマークで示す最先端の性能

Google によれば、Deep Think は LiveCodeBench V6 や Humanity’s Last Exam など高度なコード・科学・知識系ベンチマークでツール非使用モデルとして最高性能を記録しました。また、日常利用向けの高速版でも2025年IMOベンチマークでブロンズ相当を達成しており、フルモデルは金メダル級です。

想定ユースケース

  • 数学・科学研究:複雑な定理の検証や論文読解を支援
  • アルゴリズム開発:計算量やトレードオフを踏まえたコード生成
  • 段階的なデザイン改善:ウェブ開発などで美観と機能性を両立

とりわけ 「問題を段階的に洗練させるタスク」 で高い効果が確認されています。

安全性への配慮

Google は Deep Think の開発・運用全工程で安全対策を強化しており、2.5 Proと比べ有害コンテンツ抑制やトーンの客観性が向上 した一方、無害な質問への拒否率が高まる傾向も報告しています。リスク評価と緩和策は継続的に実施され、詳細は公開されたモデルカードで確認できます。

CoAI編集部

AI分野の専門ライター