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OpenAI、最新動画生成AI「Sora 2」をリリース – 音声同期とカメオ機能を搭載

OpenAI、最新動画生成AI「Sora 2」をリリース – 音声同期とカメオ機能を搭載

2025年10月2日 CoAI編集部 リリース

OpenAIは9月30日(日本時間)、次世代の動画・音声生成AIモデル「Sora 2」を発表し、米国とカナダで提供を開始した。2024年2月に発表されたオリジナルの「Sora」を大幅に進化させた本モデルは、物理法則に従ったリアルな動画生成と音声の同時生成を実現している。

物理法則を理解した自然な動画生成

Sora 2の最も注目すべき進化点は、物理法則に対する深い理解である。従来のSora 1では、バスケットボール選手がシュートを外しても、ボールが不自然にゴールに吸い込まれるケースがあった。しかしSora 2では、ボールがバックボードに当たって自然に跳ね返るなど、現実世界と見分けがつかないほどの物理シミュレーション精度を実現している。

OpenAIは公式発表で「Sora 2は物理法則をより正確に遵守する」と述べており、水の流れや物体の落下、人物の歩行動作なども従来モデルより格段に自然になっている。

音声同期と「カメオ」機能

Sora 2では、生成される動画クリップに同期したセリフや効果音を組み込むことが可能になった。さらに「Cameos(カメオ)」と呼ばれる新機能により、ユーザー自身や友人の容姿をAI生成動画に挿入できるようになった。本人確認のため、ユーザーはSoraアプリで短い動画と音声を録画する必要があり、OpenAIは不正使用を防ぐための厳格な本人確認システムを導入している。

iOSアプリとソーシャル機能

OpenAIは同時にSoraのiOSアプリも公開し、TikTokやReelsに似たスワイプ可能なフィード駆動型の体験を提供している。アプリ内では、ユーザー同士が生成した動画をリミックスしたり共有したりできるソーシャル要素が追加されており、アルゴリズムによる推薦フィードも実装されている。現在はiOSのみの対応だが、Android版も開発中である。

提供形態と価格

Sora 2は米国とカナダで利用可能で、今後他の国々への展開も予定されている。日本でも利用可能だが、現在は完全招待制となっている。基本的には無料で利用でき、使用量に応じた制限が設けられている。ChatGPT Proユーザーは、実験的で高品質な「Sora 2 Pro」モデルにアクセスできる。また、将来的にはAPI経由での提供も計画されている。

AI動画生成競争の加速

OpenAIによるSora 2のリリースは、同社がxAI、Google、Anthropicといった大手AI企業との競争において動画生成分野で優位性を示す動きとなっている。OpenAIは「動画モデルは非常に高速で進化している。汎用的な世界シミュレーターとロボットエージェントは、社会を根本的に再構築し、人類の進歩を加速させるだろう」と述べている。

CoAI編集部

AI分野の専門ライター