Anthropicは2026年10月7日、AIアシスタント「Claude」の小型モデル「Claude Haiku 5.5」を公開しました。Haikuは、Claudeのモデルの中で最も速く、料金が安い系統です。Anthropicは、大量の処理や応答の速さが求められる作業に向けたモデルと位置づけており、Haiku 4.5に比べて平均で約75%安く使えるとしています。
発表の概要
Haiku 5.5は、9月に公開されたClaude Opus 5.5、Claude Sonnet 5.5に続く「5.5」世代の小型モデルです。Anthropicは、向いている作業として次のようなものを挙げています。
- 文章の要約や、長い会話の圧縮
- 分類、情報の抜き出し、データベースへの問い合わせ
- 上位モデルの下で細かい作業を受け持つサブエージェント
- ライブのカスタマーサポートやブラウザー操作など、応答の速さが大事な用途
扱える文章量(コンテキストウィンドウ)はHaiku 4.5の20万トークンから100万トークンに、1回に出力できる量は6.4万トークンから12.8万トークンに広がりました。入力は文章と画像に対応しています。
料金
API料金は、1回の依頼の長さで2段階に分かれます。100万トークンあたりの料金は次のとおりです。
- 10万トークンまでの依頼:入力0.10ドル、出力0.50ドル(Haiku 4.5は入力1ドル、出力5ドル)
- 10万トークンを超える依頼:入力0.50ドル、出力2.50ドル
短い依頼ではHaiku 4.5の10分の1、長い依頼では半額になります。ただし、Haiku 5.5は新しい方式で文章を数えるため、同じ文章でもHaiku 4.5よりトークン数が約30%多くなります。実際の費用の下がり幅は、依頼の長さや内容によって変わります。
性能
Anthropicが公表したベンチマークでは、パソコン操作の能力を測る「OSWorld 2.1」(オフラインで実行できる問題)で、Haiku 4.5の15.7%から72.4%へと大きく伸びました。仕事の知的作業を評価する「GDPval-AA v2.1」でも、Haiku 4.5の735から1,620に上がっています。いずれもAnthropicが公表した数値です(GDPval-AAはArtificial Analysisの評価指標)。
あわせて、考える深さを選べる「effort」の設定に対応しました。low、medium、high、xhigh、maxの5段階から選べ、標準はmediumです。簡単な依頼では考える量を減らして速く安く、難しい依頼では深く考えさせる、といった使い分けができます。
使える場所
Haiku 5.5は、Claudeのウェブ版(claude.ai)とiOS、Androidのアプリで使えます。開発者向けには、Claude API、Amazon Bedrock、Google Cloud、Microsoft Foundry、Claude Platform on AWSで提供されています。
APIで使っている開発者は、Haiku 4.5からの切り替えで注意が必要な変更があります。たとえば、temperatureなどの生成の設定は送らないよう求められ、既定値以外を指定するとエラーになるほか、従来の方法で考える量を指定する設定も使えなくなりました。Anthropicは移行ガイドを公開しています。
CoAI編集部の視点
Haiku 5.5は、料金を大きく下げながらパソコン操作の性能を大きく伸ばした点が目立ちます。複数のAIに仕事を分担させる使い方が広がるなかで、細かい作業を受け持つ安くて速いモデルの重要性は増しています。Opus 5.5やSonnet 5.5に全体の判断を任せ、Haiku 5.5に下請けの作業を回すといった組み合わせが現実的になりそうです。一方、トークンの数え方が変わったため、実際の費用は自分の使い方で試して確かめるのが確実です。