CoAI
ニュース

米Reflection AI、総5010億パラメーターの「Beam」の重みをApache 2.0で公開 プログラミングとエージェント向け

米国のAIスタートアップReflection AIは2026年10月16日、10月5日に発表したAIモデル「Beam」の重みをHugging Faceで公開しました。総5010億パラメーターのうち1回の処理で230億を使う仕組みで、ライセンスは制限の少ないApache 2.0です。APIは無料の試用枠つきのベータ版で使えます。

2026年10月16日約4分で読めます

米国のAIスタートアップReflection AIは2026年10月16日、AIモデル「Beam」の重み(学習済みのモデルのデータ)を公開しました。Beamは10月5日に発表したモデルで、プログラミング、推論、AIが道具を使いながら作業を進める「エージェント」の用途に向けて作られています。重みはHugging Faceからダウンロードでき、ライセンスは商用でも自由に使えるApache 2.0です。

Reflection AIとBeam

Reflection AIは、Google DeepMindでGeminiの開発に携わったミーシャ・ラスキン氏と、囲碁AI「AlphaGo」の共同開発者のイオアニス・アントノグルー氏が2024年3月に創業した、ニューヨークに本社を置くスタートアップです。米国発の公開モデル(オープンウェイト)の開発を掲げ、2025年10月には評価額80億ドルで20億ドルを調達しました。Beamは同社にとって最初のオープンウェイトモデルで、シリーズの第1弾と位置づけられています。

公式の紹介ページによると、Beamの主な仕様は次のとおりです。

  • 仕組み:MoE(Mixture of Experts)。全体のパラメーターは5010億(501B)で、1回の処理で使うのはそのうち230億(23B)
  • 学習に使ったデータの量:23.8兆トークン
  • 実際に扱える入力の長さ(コンテキスト):100万トークン

MoEは、全体が大きくても処理のたびに一部の「専門家」の部分だけを動かす仕組みで、規模の割に速く安く動かせます。

公開された重みとライセンス

重みは、Hugging Faceで次の形式で公開されています。

  • BF16:元の精度の形式
  • FP8、NVFP4:データを小さくして、必要なメモリを減らした形式
  • DFlash2:文章の生成を速くするための補助のモデル(投機的デコードという方法で使う)

ライセンスのApache 2.0は、オープンソースで広く使われているもので、商用の利用、改変、再配布を、売上や利用者の数による制限なしに認めています。前日の10月15日にMetaが公開した「Muse Spark Open」が、大きな企業による提供に条件をつけた独自のライセンスだったのとは対照的です。

使い方

Beamは、次の方法で使えます。

  • API:Reflection AIの開発者向けサイト(platform.reflection.ai)で、無料で試せる枠のあるベータ版として提供
  • クラウドなど:AWS、Google Cloud、Microsoft Foundry、Together AI、Ollamaなどで使える(提携先・連携先は40を超える)
  • 自社のサーバー:DellとHPEのサーバーで動かせる

APIの料金は公表されていません。日本からの利用や日本語への対応については、特に案内はありません。

性能の評価

公式の紹介ページに載っている主な数値は次のとおりです。Beamの数値はReflection AIが公表したもので、比べた他社のモデルの数値には、評価サイトのArtificial AnalysisとDataCurveのデータを使ったとしています。第三者による検証はまだです。

  • SWE Bench Pro v2-Hard(難しいソフトウェア開発の課題):77.2
  • Terminal Bench v2.1(コマンド操作):80.1
  • AIME 2026(数学の競技問題):97.8
  • GPQA Diamond(大学院レベルの科学の問題):90.5

前日に公開されたMetaのMuse Spark Openは、Terminal-Bench 2.1で76.4(Terminus 2というエージェントで測定)、GPQA Diamondで89.0とMetaが公表しています。ただし、測り方の条件がそろっているとは限らないため、単純には比べられません。

CoAI編集部の視点

Beamは、米国の企業が出した大型の公開モデルの中でも、ライセンスの制限が特に少ないモデルです。Apache 2.0なら、売上の大きな企業でも別の契約なしに自社のサービスに組み込めます。この1週間で、Meta、中国のStepFun、Reflection AIが相次いで大型の公開モデルを出しており、自分の環境で動かせるAIの選択肢が急に広がっています。

一方で、公表された性能の数値はReflection AI自身によるもので、第三者の評価はこれからです。全体で5010億パラメーターと大きく、自社で動かすには大きなGPUのサーバーが必要です。まずはAPIの無料の試用枠で、自分の作業に合うかを試すのがよいでしょう。

出典

ニュース一覧へ