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中国のAI企業Moonshot AI(月之暗面)は、10月に公開したAIモデル「Kimi K3.1 Pro」の重み(モデルの中身にあたるデータ)を、予告していた期限の11月4日までにHugging Faceで公開しました。Hugging Faceの記録では、置き場所(リポジトリ)が作られたのは11月2日(協定世界時)です。利用者の登録や申請は不要で、誰でもダウンロードできます。CoAIでは、10月の公開時に予定として伝えていましたが、その期限内の公開となりました。
公開されたモデル
Hugging Faceのモデルの説明によると、構成は次のとおりです。
- 構成:総パラメータ2.8兆、1トークンあたり1,040億が動くMoE(896の専門家から16を選んで使う仕組み)
- 文脈の長さ:約100万トークン
- 入力:文章と画像(画像の読み取り部分は約4億パラメータ)
- 形式:重みは4ビット(MXFP4)、計算途中の値は8ビット(MXFP8)で、この形を前提に学習している
- 容量:96個のファイルに分かれ、合計で約1.56TB
- 対応する推論エンジン:vLLM、SGLang、TokenSpeed
考える深さを「low」「high」「max」の3段階で選べ、標準はmaxです。11月5日には、使えない設定(medium)を取り除く修正が入りました。
ライセンスの条件
重みには、オープンソースの一般的なライセンスではなく、Moonshot AI独自の「Kimi K3.1 Pro License」が付いています。商用利用はおおむね認められていますが、規模の大きいサービスには次の条件があります。
- AIモデルを外部に提供する事業(MaaS)を営む企業で、関連会社を含む売上の合計が連続する12か月で2,000万ドルを超える場合は、商用で使う前にMoonshot AIと別の契約を結ぶ
- 月間の利用者が1億人を超えるか、月の売上が2,000万ドルを超える製品やサービスでは、画面に「Kimi K3.1-Pro」と目立つように表示する
社内での利用や、Moonshot AIの公式製品・認定を受けた推論サービス経由での利用は、これらの条件の対象外です。
サイバー攻撃の能力について
Moonshot AIは10月の発表で、重みを公開する版では、2つの学習の段階からサイバー攻撃に関わるデータを取り除いたと説明していました。社内の評価では、攻撃に関わる問題を解ける割合が90.5%から81.0%に下がったとしています。
CoAI編集部の視点
Kimi K3.1 Proは、Moonshot AIが「これまでで最も高性能な3兆パラメータ級のオープンウェイトモデル」とうたうモデルで、予告した期限内に公開したことで信頼を高めました。ただし、1.56TBという大きさは、個人のパソコンで動かせる規模ではありません。実際に動かすには、高性能なGPUを多数備えたサーバーが必要です。
多くの企業にとっては、自社のサーバーで動かしてデータを外に出さずに使える点や、性能を自分で検証できる点が、重みの公開の主な利点になります。ライセンスは大規模なサービスでなければ大きな制約になりにくいものの、一般的なオープンソースとは条件が違います。使う前に、ライセンスの全文を確かめておきましょう。