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ByteDance(TikTokの運営会社)のクラウド部門の火山引擎(Volcano Engine)は2026年10月23日、動画生成AI「Seedance 2.5」の4K版となる「Seedance 2.5 4K」を発表しました。映画やテレビの制作に向けたモデルで、Seedance 2.5の世代でもっとも性能が高いとしています。今は一部の企業向けの試用に限られ、一般の利用者はまだ使えません。中国のIT之家や網易などが伝えました。
Seedance 2.5 4Kとは
Seedance 2.5 4Kは、文章や画像などから動画を作るSeedance 2.5を、4Kの高い解像度で使えるようにしたモデルです。人の表情、細かな動き、画面の細部を重点的に学ばせたとしています。
IT之家によると、主な特徴は次のとおりです。
- 質感や輪郭、細部がよりはっきり表れる4Kの映像
- 色の段階を細かく表せる10ビットの色深度で、色の移り変わりがなめらか
- 人物の細かな反応を表せるため、セリフ以外の感情も伝わりやすい
- 参考としてアップロードした素材の画質や色を保ちやすく、ポスターや商品のパッケージの小さな文字も読み取りやすい
480pで試せる「Draft」モード
新しく「Draft(样片)」モードを用意しました。まず480pの低い解像度で試作の映像を作り、カット割りや演技、カメラの動きを確かめます。納得できたら、同じ内容を4Kで作り直して仕上げます。
高い解像度の動画は、作るのに時間も費用もかかります。試す段階はより低い費用で済む480pで何度もやり直し、最後だけ4Kにすることで、費用を抑えながら作り込めるようにするねらいです。
提供状況
今は一部の企業向けの試用に限られ、今後、使える範囲を少しずつ広げる可能性があるとしています。料金は示されていません。
網易は発表前日の10月22日、最初の試用が始まったと報じました。作品ごとに使う形で、世界の20のスタジオと監督に限って提供しています。すでに20の作品が4K版を使っており、早いものでは来月、中国の衛星テレビ局の大型作品で放送される予定です。世界的な大型IP(人気作品の権利)の映画も含まれるとしています。IT之家によると、国内外の一部の映像制作会社やポストプロダクション(撮影後の編集・仕上げ)の会社も試しています。
日本で使えるかどうかや、ByteDanceの海外向けのサービスで提供するかどうかは、発表では触れられていません。
Seedance 2.5の歩み
Seedance 2.5は、ByteDanceが6月23日のイベント「FORCE」で初めて発表したモデルです。7月13日に大手企業、16日に一般の開発者へAPIを開放し、7月31日に中国向けの動画アプリ「即梦(Jimeng)」で使えるようになりました(Seedの公式ブログはこの日を正式公開としています)。商用のAPIの利用は8月7日に正式に開放されています。
ByteDanceの研究チームSeedの公式ブログによると、Seedance 2.5は1回で最長30秒の音声付き動画を作れ、何度も延長できます。参考素材として画像を最大30枚、動画を10本、音声を10本まで一度に渡せるほか、時間を指定して動画の一部だけを直す編集もできます。今回の4K版は、この世代の仕上げの画質を映画やテレビの水準に引き上げるものといえます。
他社との比較
動画生成AIでは、長さと画質の競争が続いています。中国の快手(Kuaishou)のKling AIは10月15日に「Kling 4.0」を公開し、最長30秒の生成に対応しました。ただし、4Kでの出力については公式ページでも「近日対応」とする記述があり、対応状況がはっきりしていません(Kling 4.0の記事)。
Seedance 2.5 4Kは、誰でも使えるサービスではなく、映画やテレビの制作会社と組んで実際の作品で試す形をとっています。広く公開する前に、プロの現場での使い方を固めようとしていることがうかがえます。
CoAI編集部の視点
AIで作った映像を映画館やテレビの大きな画面に出すには、解像度だけでなく、色の細かさや表情の自然さが欠かせません。Seedance 2.5 4Kは、10ビットの色や、試作と仕上げを分ける作り方など、制作の現場の流れに合わせた機能を前面に出しています。
一方で、今わかっているのは火山引擎の説明と中国メディアの報道で、外部の評価や料金はまだ出ていません。一般の利用者は今のところ使えないので、動画生成AIを選ぶ際は、すでに公開されているSeedance 2.5やほかのサービスで、必要な長さと画質を実際に試すのが現実的です。なお、Seedance 2.5が使える即梦やDoubaoは中国向けのサービスで、日本から使えるかはサービスによって異なります。4K版が広く公開されるか、日本から使えるようになるかは、今後の発表を待つ必要があります。